以前から職場の飲みの席でよく出る、「産後妻が怒りっぽくなった」という話。
いつもイライラして何を言っても怒られるので、家に帰るのが憂鬱だという方も。
最近は産後に夫婦仲が悪くなる「産後クライシス」なんて言葉もありますね。
そこで周囲のママ友に聞いてみたところ、意外に皆同じポイントで夫に対してイライラしていたことが分かりました。
ということで、今回女性目線から産後の夫へのイライラの原因と解決方法をまとめてみました。
目次
1.産後の妻に何が起こったか
・妻の視界は子ども一色
産後との比較のために、まずは産前の話からしましょう。
産前の女性は仕事のこと、趣味のこと、夫や友人のことなど様々なことを常日頃から考えています。
そう、産前の心のスクリーンには色々なものが映っているのです。
ところが、お子が生まれた瞬間に・・・本当に、その瞬間に!!
視界に入るのは一気に子どもだけになります。
このか弱い手足と、純粋なランランとした瞳・・・
この子を私が守ってあげなきゃという責任感と、この子のお世話をできるという幸福感でいっぱいになるのです。
そして他の色々なものは一気にスクリーンアウトしてしまうのです(笑)
残念ながら夫も、一度スクリーンアウトしてしまいます。
まさにお子ファースト!お子がすべて!
そしてこれは子どもを守って種として生き残るために、女性にプログラムされた自然な仕組みです。
・生活の劇的な変化
お子ファーストになってしまった妻の脳内。
お子に全身全霊ですべての愛情を注ぐ一方で、ホルモンバランスの急激な変化により周囲にイライラしやすくなったり、不安を感じやすくなったりします。
加えて今までに未経験だったタスクが一気にどかっと降ってきます!
人によって違うのであくまで一例ですが、私の場合はお子の誕生をきっかけにこのようなタスクが増えました。
合計で868分。14.47時間分のタスクが突如増えたのでございます。
オーマイゲー。
加えて、自分の身の回りのこと(お風呂や食事など)や、既存の家事(料理や掃除など)があると1日は一瞬で終わります。
あれ、タイムスリップしたかしら?と思うほど、一瞬。
もちろん新生児期を過ぎれば落ち着きますが、お子が成長するにつれて保育園の送り迎えやら離乳食の製作やら、新しいタスクが代わるがわる増えてくんですね。
上の子がいた日にはもう忙殺!
文字通り忙しさに殺される!笑
ということで、このタスクの増加がイライラの大きな要因。
ついでに言うと、特に新生児の頃などは3時間ごとにお子が起きます。
そのため細切れでしか睡眠がとれず、睡眠不足に陥るというのもイライラを助長します。
・自宅で「のほほん」とはいかない
あと子どもをもって初めて知ったのが、子どもを育てる緊張感。
育児って幸せな感情ばかりだと思っていたけど、ひと一人の命が自分にかかっているという緊張感が24時間つきまといますね。
寝ている時に窒息してしまったら?抱っこしている時に転んで落としてしまったら?
子どもが苦しむのはもちろんですが、夫やじーじ&ばーば、その他お子の誕生を心から祝福してくれた人が悲しむ顔が目に浮かびます。
ということで、皆の幸せを台無しにしてしまうという恐怖・緊張感も妻のピリピリを増長させる一因になっていると思います。
2.妻のイライラに対する原因と解決策
・まずは何より妻のタスクを減らす!
これが最も基本的で、最も重要で、最も効果的な方法だと思います。
周囲の友人たちと話す中でも、夫がこれをやってくれたかやってくれなかったかで、その後の夫婦関係が雲泥の差です。
ポイントは、観察と先回り
私自身、1人目の産後は子どものことだけしか視界に入っておらず、後述するNGワードも夫から言われたことがあり、夫が何もしてくれなければ産後クライシスまっしぐらだったと思います。
でも積極的にいろいろやってくれる姿を見て夫を見直しましたし、今は本当に夫に感謝の気持ちをもてています。
特に、私がやっていることをよく観察してタスクを把握し、言わなくても先回りしてやってくれたことが大きかったです。
例えば妻のタスクを減らそうとして、「これどうしたら良い?」とか「何かやることある?」と聞くと、妻からすると「夫に教える」とか「夫に依頼する」というタスクが1つ増えることになります。
しかし「調乳ポットにお湯補充しなきゃ!」と思ったら既にお湯が補充されていたり、授乳中に勝手にお茶を持ってきてくれたり(授乳中は喉が渇くのです)すると、「おぉっ!」と思います。
そして次第に、一緒に子どもを育てる良きパートナーとして夫も再びスクリーンにカムバックしてきたのでした。
もしかしたらママの余裕がなくてすぐには感謝されないかもしれませんが、そういうことしてくれる旦那さんはママ友から「良いな~~!」と羨ましがられること間違いナシです。
そういうタイミングなどで、ゆくゆくは奥さんも旦那さんのありがたさに気づいてくれると思います。
「良いとこ取り」には要注意!
逆に、周囲の意見で意外に多かった注意点がコレです!
要するに、家事や育児を「やってるつもり」になっているパターン。
先ほどのタスク一覧表を見ていただくと分かりますが、例えば1番上の「ミルク関連」の項目には、「ミルクを飲ませる」以外に調乳や哺乳瓶の洗浄など色々な作業が含まれています。
やってくれるだけで本当にありがたいのですが、例えばミルクを飲ませる部分だけやったり、オムツ替えだけやったりしても、多分妻のタスクはそこまで減っていないです。
例えば土日などに地獄の寝かしつけ(背中スイッチとの仁義なき戦い)を夜間に1回代わってあげるだけで、まとまった睡眠がとれるようになって喜ばれるかもしれません。
この辺は先述したとおり、妻の行動をよく観察すると何に時間をかけていて、何で苦労しているか見えてくるかもしれません。
言ってくれれば良いのに・・・
って、思いません?笑
そう、わざわざ夫が気を遣って観察しなくても、妻があれやってこれやってって言えば済む話ですよね?
もちろん言える人もいると思いますが、言わない派の人たちはこんな事情があるようです。
・指示した時点で自分が家事・育児の主担当で、夫は「お手伝い」になることが確定する
・逆に育児は自分がやらなきゃという意識があって頼めない
・頼んでも面倒そうな顔されるから頼まない
・夫に期待していない
・単純に手いっぱいで頼んでる余裕がない
この辺は、女性側もうまく役割分担を提案するなど、一人で抱え込まずに歩み寄りが必要かもですね。
既存の家事を軽減する方法もあり
新しく増えたタスクだけでなく、既存の家事を軽減させて妻の時間を作ってあげる方法もあります。
花形の洗濯や掃除以外にも、「名もなき家事」なんて最近よく聞きますね。
トイレットペーパーの補充とかお茶の補充とか、家事というより「気遣い」レベルの作業であれば「やり方違う!」と妻に怒られることもなさそうです(笑)
後は、時短家電を導入してあげるのは超オススメです!!
個人的に超オススメはシャープの自動調理鍋「ホットクック」!
材料を鍋に入れて、ボタンをポチするだけで勝手に料理が出来上がる神のような代物!
「調理」というよりはレシピ通りに「調合」する感覚でステキ料理が出来上がっちゃうので、普段料理しない男性でも使えます。
超超オススメです。
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・夫が何も変わらないことに対するイライラ
女性は妊娠中から既に、身体や生活環境に劇的な変化がもたらされています。
一方男性は今まで通りお酒も飲めるし、仕事にも行ける。
それは当然のことですし、夫は何も悪くないのです。
頭では分かっているので口には出さないかもしれませんが、どこかモヤッとしている可能性があります。
我が家ではこんなモヤモヤを解消するために、「くつポイント」という制度を導入しました。
実は私、靴がとっても好きなんです。
そこで夫に相談して、夫が飲みに行った日は、専用の台紙にシールを1枚貼ることにしました。
そして10個シールが貯まったら、家のお金で私のくつが1足買えるのです!
そんな制度を導入してから、私は夫が飲みに行ってもくつが貰えるというメリットがあるのでハッピー。夫も気兼ねなく飲みに行けるのでハッピー。つまりハッピーハッピー🙌という状態です。
別に靴じゃなくても、家事免除ポイントとかマッサージ受けられるポイントとかでも良いと思うんです。
要は誰も悪くないけど何か不満!というシーンをフェアに解決するための、ちょっとした工夫を考えることが大事だと思っています。
・NGワードを言ってしまっている
意外にあちこちに埋まっている妻の地雷(笑)
周りのママさんたちに聞いたら、漏れなくみんな何かしらのNGワードにヒットしてしまっていました。
せっかくなので、ランキング形式でご紹介させていただきます👏
第三位:「太った?」
はい、いきなり出ました!
これはもう埋まっている地雷を誤って踏んでしまうというよりは、火のついたダイナマイトを自らつっつきに行くような行為(笑)
なぜあえてそれ触れる?的な。
体型にまつわる指摘はNGです!
特に出産に関しては自分でもコントロールできない体の変化が次々と現れます。
妊娠線できたり、腰回りに脂肪がついたり。
自分でも分かっているし自分が1番ショックをうけているのに、さらに夫に指摘されるとかなり傷つきます。この発言で本気で離婚を考えたと言う友人もいました。
夫が冗談のつもりでも、妻からすると全く面白くありません。
(しかも夫は子どもができたからといってハゲたり太ったりするわけでわないので、余計に。)
とにかく破壊力抜群のNGワードです。
みんなキレイでいたいけど、子ども優先で自分のことは後回しになっているのです。
第二位:「~しなよ」
これは私自身も夫に言われました(笑)
悲しいかな、夫が良かれと思って言う「休みなよ」「ゆっくりお風呂入ってきなよ」などは逆効果です。
先述したとおり、産後は色々なタスクが降ってきます。
そのため妻は頭の中で次にあれしてこれして・・・と、常に分刻みでスケジュールをたてて行動しています。
今休むとその後のタスクが滞ります。
「休みなよ」という言葉をかけるよりも、1つでも妻のタスクを減らしてあげれば自然と妻は休めるのです。
特に赤ちゃんが寝ている間、奥さんがせかせかと動いているのを見て心配になって「今のうちにゆっくりしなよ」と思ってしまうかもしれません。
でも例えば自分が、レストランのホールでバイトしていると仮定してみてください。
ランチタイムが終わってお客さんが引いた間に、ディナータイムに向けた準備をしなければ、夜の営業が回らなくなる。
そのためディナーまであと1時間しかないわ!と焦りながらサラダやデザートの用意を急いでやっている。
そこに、別のホールスタッフがスマホをポチポチしながら「ちょっと休みなよ~」と言ってきたらどうでしょう。
「今やらないと回らないんじゃ!!お前さんもやれぃ!!!!」と内心思いませんか(笑)
優しい言葉をかけるよりも、やはり奥さんのタスクを減らすという行動が先決だと思われます。
第一位:「~で良いよ」
断トツ1位は、「~で良いよ」でした。
この発言1つで離婚するほど致命的ではないけれど、我が国における発射回数的には断トツNo.1のNGワードです(私しらべ)。
例えば晩御飯のメニューについて「簡単なもので良いよ」と言われると、「そのメニューで妥協してやっている」感が出て嫌なんだそうです。
「簡単なものって何!?何だろうが、晩御飯作るのって一苦労なんだわ!」と思うそう。
男性に置き換えると、働くだけでも大変なことなのに「この給料『で』良いよ」と妻に言われるような感じですかね?
そしてよくありがちな、
妻:「晩御飯AとBどっちが良い?」
夫:「Aで良いよ」
に妻が激怒するパターン。
これは若干妻の方から地雷をまきにいっている感はありますが、そのような問いがあったら「どちらかというとAが食べたいな!」くらいの感じで回答するのが無難かと。
その他のNGワード
ランキングしたもの以外にも、色々なNGワードが出てきました。
・「ティッシュなくなったよ」という報告。
→妻的には、「だから?」と思うそうです。「ティッシュくらい自分で補充しろぃ!」というのが本音らしい。
・「手伝うよ」という提案。
→そもそも家事は妻の仕事、と思っている夫の価値観が見えてしまいます。
・「手がかからない子だね」「夜はよく寝てくれるね」
→いやいや、お前さんの知らないところでたっっくさん夜泣きしてるし、手を焼いているぜ!という反発を生む可能性があります。
3.まとめ
こうやってみると、余計な口を出すより妻のタスクを減らすよう行動するのが大原則のようですね。
スクリーンアウトしている時に横で何を言われても、きっと妻の心には届きません。
むしろ鬱陶しいと思われる可能性が。
妻が求めているのは、一緒に子育てをしてくれる良きパートナーです。
ということで結婚前だったら武器となるかもしれない甘い言葉、顔面偏差値、きらりと光るファッションセンスなどは産後の女性の前では無力です。
まずはとにかく共に子育てをしてくれる労働力となってくれるか、それがすべてのようです。